租税文書、租税法修士論文の表記は何に基づくべきか?(4度目の掲載)

租税文書、租税法修士論文の表記は何に基づくべきか?(4度目の掲載)
複数の方から照会がありました。
照会をされる方は不安を抱えていると思います。
正しい答えは1つしかありません。
<はじめに>
「租税法修士論文を作成するときに、何か指針になるものがないか」という照会が時々あります。
そして、「……何か指針になるものがないか」という照会の中には、国税庁の『公文書の書き方』について説明してほしいという内容も含まれています。
<使うべきは、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』>
結論から言うと、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』.ぎょうせい.を使うべきです。
理由は明白で、中央官庁や立法府である衆議院、参議院等が、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』.ぎょうせい.を用いているからです。そして、2010年版が最新版で、2010.「公用文における漢字使用等について」と2010.「常用漢字表」に対応しています。
税理士が作成する租税文書、大学院生が作成する租税法修士論文は公文書ではないのではという素朴な疑問が沸くかもしれませんが、大学院生により作成された租税法修士論文は多くの場合国税審議会に提出されることを考えると、基本的に公文書を意識した記述が必要です。
新日本法規等他の用字用語事例集を用いている中央官庁は私は聞いたことがありません。
<国税庁の『公用文の書き方』について>
次に、国税庁の『公用文の書き方』について説明します。
様々な理由で、警察庁や国税庁は独自の文書の書き方を内部的に定めています。そして、ここからが大事なところですが、国税庁の『公用文の書き方』は1950年版を最後に一般に公表されていません。その後更新されている国税庁の『公用文の書き方』は非公開文書なので、引用はもちろんのこと、文書の持ち出しそのものができません。勝手に文書を持ち出せば、国家公務員法抵触の可能性が濃厚です。
<情報公開法による公文書の取得>
仮に、情報公開法を用いて国税庁の『公用文の書き方』を取得したとしても、それを正式に引用することは難しいでしょう。
元税務職員が退職後もそのまま使っているだけの話です。あくまで、こっそり使っているということです。
◯是否認事項
◯ぜひ×是否×是非
◯気が付く×気がつく
<終わりに>
このような話は、元税務職員であり、研究者であり実務家でもある私、細川健にとっては常識的な話です。「中央官庁や立法府である衆議院、参議院等が、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』.ぎょうせい.を用いている」というのも確かな情報です。
とは言え、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』.ぎょうせい.を随時確認しながら、長文の論文を作成するのは大変なことです。実を言うと、論文を書いていて私もしょっちゅう間違えます。×「気がついた」は◯「気が付いた」が正しい表記です。◯「回答を下さい」、◯「資料を下さい」は◯「下さい」ですが、×「貸して下さい」は◯「貸してください」が正しい表記です。迷ったら、ぎょうせい公用文研究会編.2010.『最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応』.ぎょうせい.を辞書的に使いましょう。
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