ハードフォークにより取得した暗号資産の課税関係をまとめました。 ハードフォークより取得したPoWEth等は年末までに売却するのが無難です。

#426 ハードフォークにより暗号資産(仮想通貨)を取得【2022/08/10】
ハードフォークにより取得した暗号資産の課税関係をまとめました。
ハードフォークより取得したPoWEth等は年末までに売却するのが無難です。
1.ハードフォークにより取得し、売却したETCの課税関係
⑴分裂(分岐)のときにETC に取引相場がある場合
・ハードフォーク分岐前の2016/04/01
市場価格:1ETH 2万円
10ETHを購入
取得価額20万円
2016/04/01
(借方)暗号資産(10 ETH) 20万円
            (貸方)現金預金 20万円
・ETHとETCのハードフォーク発生(2016/09/20)
もともと持っていた10Ethがフォークにより分岐
10ETH
10ETC
を所持することになる。
ハードフォーク明けの市場価格は以下の通りだったと仮定
市場価格:1ETH 45万円
市場価格:1ETC 5万円
2016/09/20
(借方)暗号資産(10 ETC )50万円
           (貸方)暗号資産取得益50万円
・しばらくして10ETCを全て売却(2016/10/20)
・売却価額:10ETC 60万円
2016/10/20
(借方)現金預金 60万円
           (貸方)暗号資産(10 ETC )50万円
               暗号資産売却益  10万円
⑵分裂(分岐)のときにETC に取引相場がない場合
(借方)暗号資産(10 ETH) 20万円
            (貸方)現金預金 20万円
・ETHとETCのハードフォーク発生(2016/09/20)
もともと持っていた10Ethがハードフォークにより分岐
10ETH
10ETC
を所持することになる。
ハードフォーク明けの市場価格は以下の通りだったと仮定
市場価格:1ETH 45万円
市場価格:1ETC 5万円
2016/09/20
仕訳なし(ETC の時価不明)
・しばらくして10ETCを全て売却(2016/10/20)
・売却価額:10ETC 60万円
2016/10/20
(借方)現金預金 60万円
           (貸方)暗号資産売却益  60万円
2.今後発生予定の取得して売却する予定のPoWEthの課税関係
2020/10/01にハードフォークが発生すると仮定すると
⑴分裂(分岐)のときに にPoWEthに取引相場がある場合
⑵分裂(分岐)のときに にPoWEthに取引相場がない場合
#分裂
#分岐
#ハードフォーク
#経済的利益の取得課税
#取引相場のある暗号資産
#取引相場のない暗号資産
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5 暗号資産の分裂(分岐)により暗号資産を取得した場合
(国税庁FAQ9頁)
問 暗号資産の分裂(分岐)に伴い、新たに誕生した暗号資産を取得しましたが、この取得により、所得税又は法人税の課税対象となる所得は生じますか。
答 暗号資産の分裂(分岐)により新たに誕生した暗号資産を取得した場合、その時点では課税対象となる所得は生じません。
所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。
しかしながら、ご質問の暗号資産の分裂(分岐)に伴い取得した新たな暗号資産については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。
したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな暗号資産を売却又は使用した時点において所得が生ずることとなります。
なお、その新たな暗号資産の取得価額は0円となります。
法人税についても同様に、分裂(分岐)に伴い取得した新たな暗号資産の取得価額は0円となり、分裂(分岐)に伴い新たな暗号資産を取得したことによりその事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入すべき収益の額はないものと考えられます。
【関係法令等】
所法36
法法22