法人税法第22条第2項のその他の取引とは

法人税法第22条第2項のその他の取引とは

法人税法第22条第2項のその他の取引とは何を意味するでしょうか。

ここが理解できないと厳しいです。

法人税法第22条第2項には7つの取引が規定されています。6つではありません。

①資産の販売、②有償による資産の譲渡、③無償による資産の譲渡、④有償による役務の提供、⑤無償による役務の提供、⑥無償による資産の譲受け及び⑦その他の取引で資本等取引以外のもです。

法人税法第22条第2項には、「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。」と規定されていて、「もの」は取引を指していますので、「その他の取引で資本等取引以外のもの」(以下「その他の損益取引」といいます。)をどう読むかで大きな問題が起きているのです。

著名な国税出身の研究者が、「その他の」の前段の、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受け(以下「資産の販売等」といいます。)の6つの取引が「その他の」の後段の損益取引の例示だと考え、税務論文に記述しました。そして、それを正しいと信じ込んでいる税務職員は大勢いるようです。

この議論の何処がおかしいか分かりますか?

損益取引の例示が6つの取引、資産の販売等であるとすると、肝心要の「その他の損益取引」が話に出てきません。講学的に「その他の」の前段と後段だけで議論をしても、実務的な、実際的な結論は出てこないのです。

正しくは法人税法第22条第2項に規定されているのは「資産の販売等」と「その他の損益取引」の7つであって、「資産の販売等」は「その他の損益取引」に含まれる、これを包括的例示というが正しい解釈です。(続く)

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